【超初心者向け】Gitコマンド完全チートシート2025|もう怖くないGit操作
Git初心者向けに、実務で本当に使うGitコマンドだけを厳選して解説。図解と具体例つきで今日から使える。
Gitコマンド完全チートシート2025
「Gitって難しそう...」「コマンドが多すぎて覚えられない...」
そんな気持ち、よく分かります。私も最初はGitのコマンドを見るたびに不安でした。
でも大丈夫です。実務で本当に使うコマンドは意外と少ないんです。
この記事では、プログラミング初心者の方でも「今日から使える」Gitコマンドだけを厳選してお伝えします。コピペではなく「なぜこのコマンドを使うのか」を理解できるよう、一つひとつ丁寧に解説していきますね。
Gitって何?ひとことで言うと
Git(ギット)は「コードのタイムマシン」です。
ゲームで言うセーブポイント、Wordで言う「元に戻す」機能の超強力版だと思ってください。
「あ、さっきの変更ミスった...」という時も、Gitがあれば安心して過去に戻れます。
GitとGitHubの違い
よく混同される2つですが、役割が違います。
| Git | GitHub | |
|---|---|---|
| 何か | ソフトウェア(ツール) | Webサービス(サイト) |
| 場所 | あなたのPC | インターネット上 |
| 役割 | 変更履歴を記録 | 記録を保存・共有 |
| 例え | カメラ | 写真アルバム(クラウド) |
GitはPC内で動くツール、GitHubはそれをネット上で共有するサービスと覚えましょう。
まず覚える5つのコマンド
いきなり全部覚えなくて大丈夫。この5つだけで日常の8割はカバーできます。
| コマンド | 何をする | いつ使う |
|---|---|---|
git clone | プロジェクトをコピー | 最初に1回だけ |
git add | 変更を「保存予定」に入れる | 変更したら |
git commit | 履歴として保存 | キリがいい時 |
git push | GitHubに送信 | 共有したい時 |
git pull | 最新を取得 | 作業開始前 |
これが基本の流れです。順番に見ていきましょう。
日常の開発フロー
実際の開発では、この流れを繰り返します。
状況別チートシート
作業を始めるとき
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| プロジェクトをコピー | git clone URL |
| 新規プロジェクト作成 | git init |
| 最新の状態にする | git pull |
変更を確認するとき
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| 変更したファイルを見る | git status |
| 変更内容の詳細を見る | git diff |
| 履歴を見る | git log |
変更を保存するとき
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| 全ファイルを保存対象に | git add . |
| 特定ファイルだけ | git add ファイル名 |
| 履歴に保存 | git commit -m "メッセージ" |
共有・同期するとき
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| GitHubに送信 | git push |
| GitHubから取得 | git pull |
| 取得だけ(反映しない) | git fetch |
ブランチ操作
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| ブランチ一覧 | git branch |
| ブランチ作成&切替 | git switch -c ブランチ名 |
| ブランチ切替 | git switch ブランチ名 |
| ブランチ統合 | git merge ブランチ名 |
コマンド詳細解説
git init - 新しいプロジェクトを始める
何が起きるか: 現在のフォルダにGitの管理システム(.gitフォルダ)が作られます。
使うタイミング: 新しいプロジェクトを自分で始めるとき。GitHubからコピーする場合は不要です。
git clone - プロジェクトをコピーする
何が起きるか: GitHubにあるプロジェクトがあなたのPCにコピーされます。
使うタイミング: 既存のプロジェクトに参加するとき。チーム開発の最初の一歩。
git status - 今の状態を確認する
表示例:
使うタイミング: 「今どうなってるんだっけ?」と思ったらいつでも。迷ったらまずこれ。
git add - 保存するファイルを選ぶ
何が起きるか: 選んだファイルが「ステージングエリア」(保存待ちの箱)に入ります。
git commit - 履歴として保存する
何が起きるか: ステージングにあるファイルが履歴として記録されます。
ポイント: メッセージは「何をしたか」が分かるように書きましょう。
git log - 履歴を見る
表示例:
使うタイミング: 過去の変更を確認したいとき。「いつ何を変えたっけ?」という時に。
git branch - ブランチを操作する
ブランチとは: 作業の「枝分かれ」です。メインの開発に影響を与えずに、新機能を試せます。
git switch - ブランチを切り替える
補足: 昔は git checkout が使われていましたが、2020年以降は git switch が推奨です。どちらも動きますが、switchの方がシンプルで分かりやすいです。
git merge - ブランチを統合する
何が起きるか: feature/loginで行った変更がmainブランチに取り込まれます。
git pull - 最新を取得して反映
何が起きるか: GitHubにある最新の変更があなたのPCに反映されます。
使うタイミング: 作業を始める前に必ず実行。チームの変更を取り込みます。
git push - GitHubに送信する
何が起きるか: あなたのコミットがGitHubに送られ、チームに共有されます。
使うタイミング: 作業がひと段落したとき。他の人に見てもらいたいとき。
git fetch - 取得だけする(反映しない)
pullとの違い: pullは「取得+反映」、fetchは「取得のみ」。確認してから反映したい時に使います。
git diff - 変更内容を見る
使うタイミング: commitする前に「何を変えたか」を確認したい時。
git reset - 操作を取り消す
| オプション | 変更内容 | ステージング |
|---|---|---|
--soft | 残る | 残る |
--mixed(デフォルト) | 残る | 消える |
--hard | 消える | 消える |
注意: --hardは変更が完全に消えます。慎重に使いましょう。
よくあるエラーと対処法
fatal: not a git repository
fatal: not a git repository (or any of the parent directories): .git
原因: Git管理されていないフォルダでコマンドを実行しています。
対処:
- 正しいフォルダに移動する
- または
git initでGit管理を開始する
error: failed to push
error: failed to push some refs to 'origin'
原因: GitHubに新しい変更があり、あなたの手元が古くなっています。
対処:
CONFLICT (content): Merge conflict
CONFLICT (content): Merge conflict in index.html
原因: 同じ場所を複数人が編集したため、Gitが自動で統合できません。
対処:
- 該当ファイルを開く
<<<<<<<と>>>>>>>で囲まれた部分を確認- 正しい内容に手動で修正
git add→git commitで完了
detached HEAD
You are in 'detached HEAD' state.
原因: ブランチではなく、特定のコミットに直接いる状態です。
対処:
AI時代のGit活用
2025年の開発現場では、AIツールとGitを組み合わせて使うのが当たり前になっています。
VS Code + Git
VS Codeには優秀なGit機能が組み込まれています。左側の「ソース管理」アイコンから:
- 変更ファイルの確認
- ステージング(+ボタン)
- コミット(メッセージ入力→チェックマーク)
- プッシュ/プル
コマンドが不安な方は、まずVS CodeのGUIから始めるのもおすすめです。
GitHub Copilot
コードを書くときにAIが補完してくれるツール。Git操作自体には直接関係しませんが、開発効率が上がります。
ChatGPT / Cursor でエラー解析
Gitエラーが出たら、そのままエラーメッセージをChatGPTやCursorに貼り付けて聞いてみましょう。
ブランチ運用の簡略化
昔は「Git Flow」という複雑なブランチ戦略が主流でしたが、最近は「Trunk-based」というシンプルな方法も増えています。
個人開発なら、mainブランチだけでも十分です。チーム開発の場合は、チームのルールに従いましょう。
初心者がやりがちなNG操作
NG1: force push を軽率に使う
代わりに: エラーが出たらまず git pull を試す。force pushが必要な場面は稀です。
NG2: .gitignore を忘れる
パスワードやAPIキーが入ったファイル、node_modulesなどをGitにコミットしてしまうミス。
対処: プロジェクト開始時に .gitignore ファイルを作成。
NG3: コミットメッセージが雑
改善: 「何を」「なぜ」変えたかを書く。未来の自分とチームメンバーへのメモです。
まとめ - これだけ覚えればOK
Gitコマンドは多いですが、日常で使うのはほんの一部です。
最初はこの5つだけ覚えて、慣れてきたらブランチ操作を追加していけば大丈夫です。
失敗しても大丈夫。 Gitは「履歴を残す」ためのツールなので、ほとんどの操作は取り消せます。
怖がらずに、まずは git status から始めてみてください。今あなたのプロジェクトがどうなっているか、見てみるところからです。
一緒にGitを使いこなしていきましょう。
次のステップ
基本を覚えたら、次は発展コマンドに挑戦してみましょう。
- 第2弾:知ってると得する発展Gitコマンド集2025 - cherry-pick、rebase、stashなど
- 第3弾:特殊コマンド&CI/CD入門2025 - tag、hooks、GitHub Actionsで自動化
コマンドを覚えるのが大変なら、視覚的に操作できるツールもおすすめです:
- Lazygit使いこなし術 - ターミナルでGitを視覚的に操作