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【初心者向け】Rubyとは?AI時代に学ぶ価値と将来性をレビュー

Rubyとは何かを初心者向けに解説。メリット・デメリット、AI時代における価値と学習ロードマップを紹介。

2025-12-0713 min readAdabana Saki
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Rubyプログラミング入門AIキャリア言語比較

Rubyとは?AI時代に学ぶ価値と将来性をレビュー

「Rubyって日本人が作った言語なんでしょ?」

「Ruby on Railsで有名だけど、今でも使われているの?」

「AI時代にRubyを学ぶ価値はまだある?」

あなたは今、こんな疑問を持っていませんか?

Rubyは、日本人エンジニアまつもとゆきひろ氏(Matz)が開発した「プログラマーの幸福」を重視するプログラミング言語です。Ruby on Railsというフレームワークとともに、Web開発の世界に革命を起こしました。

この記事では、Rubyとは何か、なぜ「楽しい言語」と呼ばれるのか、AI時代における立ち位置を、現役エンジニアの視点からお伝えします。

Rubyとは何か?超やさしく説明

Rubyは、「プログラミングを楽しくする」ことを最優先に設計された言語です。

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Rubyの設計思想は「人間中心」です。コンピュータにとって効率的かどうかよりも、プログラマーが快適にコードを書けるかどうかを重視しています。

そのため、Rubyのコードは英語の文章のように読みやすく、「何をしているか」が直感的に理解できます。

Rubyはなぜ生まれたのか

Rubyは1993年、日本のソフトウェアエンジニアであるまつもとゆきひろ氏が開発を始めました。

当時のプログラミング言語は、「人間がコンピュータに合わせる」設計が主流でした。Matz氏は「コンピュータが人間に合わせるべきだ」という信念のもと、プログラマーがストレスなく、楽しくコードを書ける言語を目指しました。

「プログラミングは、つまらない作業ではなく、創造的で楽しいものであるべきだ」

この思想が、Rubyの根幹にあります。

Rubyの主な特徴

1. 徹底した「人間中心」設計

「驚き最小の原則(Principle of Least Surprise)」に基づき、プログラマーが予想した通りに動くよう設計されています。

2. 柔軟で表現力豊かな文法

同じ処理を複数の書き方で表現でき、プログラマーが「自然」と感じる方法でコードを書けます。

3. オブジェクト指向の徹底

Rubyでは、数値も文字列もすべてがオブジェクトです。一貫した設計により、学習と理解がしやすくなっています。

4. Ruby on Railsの存在

2004年に登場したRailsは「設定より規約(Convention over Configuration)」の思想で、Web開発の効率を劇的に向上させました。

5. 活発な日本語コミュニティ

日本発の言語であるため、日本語の情報、書籍、コミュニティが非常に充実しています。

Rubyのメリット・デメリット

観点メリットデメリット
学習直感的で初心者に優しい自由度が高く「正解」が分かりにくい
開発速度Railsで驚異的な生産性大規模開発では型の不在が課題
性能開発効率は高い実行速度は遅い部類
キャリアWeb系スタートアップで需要新規採用は減少傾向
AI時代「設計」を学ぶのに最適AI/MLライブラリは少ない

他言語との比較

比較項目RubyPythonPHPJavaScript
実行速度遅い遅い中程度中程度
学習難易度低〜中低〜中
Web開発RailsDjangoLaravelNode.js/Next.js
日本語情報非常に豊富豊富豊富豊富
求人傾向やや減少増加安定増加

RubyはPythonと比較されることが多いですが、Rubyは「Web開発特化」、Pythonは「汎用(特にAI)」というポジションの違いがあります。

Rubyの実務での使用例

  • Webサービス: Cookpad、GitHub(初期)、Shopify、Airbnb(初期)
  • スタートアップ: 日本のWebスタートアップの多くがRails採用
  • スクリプト/自動化: 運用作業の自動化、バッチ処理
  • プロトタイピング: アイデアを素早く形にする
  • API開発: Ruby on RailsによるRESTful API

特に「素早くプロダクトを市場に出したい」スタートアップで、Rubyは長年重宝されてきました。

AI・バイブコーディング時代とRubyの相性

ChatGPT、Claude、GitHub Copilot、CursorといったAIツールとRubyの相性は良好です。

AIがRubyを扱いやすい理由

  1. 読みやすいコード: AIが文脈を理解しやすい
  2. Railsの規約: 「こう書くべき」が明確で、AIの出力が安定する
  3. 豊富なコード例: GitHubに大量のRuby/Railsプロジェクトがある

バイブコーディングでの活用

「ユーザー登録機能を作って」「商品一覧のAPIを作って」といった指示に対して、AIはRails流の標準的なコードを生成できます。

しかし、ここで重要な視点があります。

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Ruby/Railsは「素早くプロダクトを作る」ための言語です。その本質は、コードを書くことではなく、「何を作るべきか」を考え、実現することにあります。

AI時代において、コードを書く作業の価値は下がっていますが、「何を作り、どう設計するか」を判断する力の価値は変わりません。

Rubyが教えてくれる「プログラマーの幸福」や「シンプルな設計」の思想は、AIと協働する時代においても、あなたを導く羅針盤になるでしょう。

Rubyが向いている人・向いていない人

向いている人

  • Web開発に興味がある初心者
  • 「楽しく」プログラミングを学びたい人
  • スタートアップで素早くプロダクトを作りたい人
  • 日本語の情報やコミュニティを重視する人
  • プログラミングの「考え方」を学びたい人

向いていない人

  • AI/機械学習をメインにしたい人(Pythonの方が適切)
  • 大企業の基幹システムを開発したい人(JavaやC#の方が適切)
  • 高い処理性能が必要なシステムを作りたい人
  • 最新トレンドの技術を追いかけたい人

Rubyを学んで後悔するパターン

  • 「求人が多い」と思って学ぶ → 新規採用は減少傾向で想定と違う
  • Railsの「魔法」に頼りすぎる → 基礎を理解せず応用が利かない
  • 性能問題に直面して困る → Rubyの得意領域を見誤る

初心者がRubyを学ぶときの具体ステップ3つ

ステップ1: Rubyの基礎文法を学ぶ(1-2週間)

変数、条件分岐、ループ、メソッド、クラスの基礎を学びます。「プロを目指す人のためのRuby入門」や、ProgateのRuby講座がおすすめです。この段階でChatGPTを「先生」として活用し、疑問をすぐ解消しましょう。

ステップ2: Ruby on Railsで簡単なWebアプリを作る(2-4週間)

Railsチュートリアル(Rails Tutorial)という有名な無料教材があります。Twitterライクなアプリを作りながら、Web開発の基礎からデプロイまで学べます。

ステップ3: オリジナルのWebサービスを作る(1-2ヶ月)

自分のアイデアを形にしてみましょう。完璧を目指さず、「動くもの」を完成させることが重要です。この過程で、設計の考え方や、AIツールとの協働を体験してください。

まとめ

Rubyは、「プログラミングの楽しさ」を教えてくれる言語です。

新規採用は減少傾向にあるのは事実ですが、Ruby/Railsで構築された既存サービスの保守・運用・改善の仕事は今後も続きます。また、Rubyが教えてくれる「人間中心の設計」「シンプルさの追求」という思想は、どの言語を使う場合でも役立ちます。

AI時代において、「コードを書く」こと自体の価値は下がっています。しかし、「何を作るべきか」「どう設計すべきか」を判断する力は、むしろ重要性が増しています。

Rubyは、その判断力を養うのに適した言語です。「楽しく」学びながら、プログラミングの本質的な考え方を身につけられます。

まずはputs "Hello, Ruby!" を実行してみてください。そのシンプルさと温かみに、きっとRubyの魅力を感じられるはずです。

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参考リンク